コラム

2025/06/16
ストレス
「そのつらさ、ストレスのせいかもしれません」──検査ではわからない“こころとからだ”のSOS
「ストレスが原因」と言われても…
「検査では異常ありませんね」
そう言われて帰ってきたものの、
夜は眠れず、朝もすっきり起きられない。
動悸や不安が続き、体も心もどこかしんどい。
「ストレスが原因かもしれませんね」
──そんな言葉に、思わずため息が出てしまった方も多いのではないでしょうか。
「そんなの、自分が一番わかってるよ」
「だからどうすればいいのかを知りたいんだよ」
…そう感じている方にこそ、今日は少しだけ“ストレスのしくみ”と、
そこから抜け出すためのヒントをお伝えしたいと思います。

ストレスにも“いろんな顔”がある
ストレスといっても、全部が「メンタルの問題」ではありません。
大きく分けると、次の3つのタイプがあります。
① 外からのストレス(気候・環境・人間関係など)
たとえば、気温差・気圧の変化・湿度などの気候的ストレス。
あるいは、職場や家庭の人間関係、騒音、通勤ラッシュなどの外的な刺激。
知らず知らずのうちに、からだはたくさんの刺激を受け取って、
それを“緊張”として溜め込んでしまいます。
② からだの中からのストレス(栄養・睡眠・姿勢)
睡眠の質が悪かったり、偏った食事を続けていたり。
また、運動不足や、無理な姿勢のクセなど、体の使い方の乱れもストレスになります。
「最近、深く呼吸してないな」と気づいたとき、
もうそれは、からだのSOSサインかもしれません。
③ 心の奥にあるストレス(不安・承認欲求・我慢)
誰にも言えない不安や、報われない想い。
「もっと認められたい」「本当はこうしたかった」
そういった感情の抑圧も、じわじわとからだに影響します。
ストレスが限界を超えると…
本来なら、私たちのからだはストレスに適応できる力を持っています。
でも、負荷が大きすぎたり、長く続いてしまうと、自律神経が疲弊してきます。
・呼吸が浅くなる
・胃腸の調子が乱れる
・肌荒れ、アレルギー反応
・首こり・肩こり・頭痛
・不眠や早朝覚醒、落ち込み
…こうした不調が「検査では異常なし」のかたちで現れてくるのです。
こころとからだは、つながっている
ストレスを受け続けると、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ドーパミンなど)の働きにも影響が出てきます。
すると、心が不安定になったり、感情がコントロールしづらくなったり──
「気のせい」ではない、本当にからだの反応として起きていることなんです。
対処法は、「考え方を変える」だけじゃない
「前向きに考えてみて」と言われても、つらい時はそんな余裕もないですよね。
でも安心してください。ストレス対処にはからだ側からのアプローチもあるんです。
・姿勢や呼吸を整える
・背骨や骨盤の歪みを調整する
・筋肉の緊張を緩めて、自律神経の流れを整える
こうした方法でも、からだが緩み、気持ちが落ち着かせることができます。
「体が変わると、心も変わる」──それは臨床の現場で本当によく感じることです。
おわりに
今の不調は、あなたの弱さではありません。
からだからの「ちょっと限界かもしれませんよ」という内なる声でもあるんです。
だからこそ、今、きちんとからだに目を向けて、整えてあげる。
それが、心と体をもう一度リセットする第一歩になるかもしれません。
ひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談されてください。