ブログ
2016/03/14
コラム
【症例】筋肉に現われる痛み・こり・しびれが内臓からの影響で起きるケース
来院された男性の頸肩腕症候とはこのような状態でした
50代で事務職をされている男性が、首を後ろに倒すと背中から肩や腕ににぶい痛みがあるという訴えで来院されました。
この男性の症状は、病院で頸肩腕症候だといわれたそうです。
初回の問診で、この男性は、毎日8時間以上パソコンに向かって作業をされていたことがわかりました。
当院では身体に触れて検査を行なうのですが、この方の首や肩まわりを触ると筋肉はガチガチに固まっているようでした。
首をうしろに反らす動作をしてもらうと、背中から肩のほうへピリッと響くにぶい痛みを感じるとのことでした。
さらに、首を左右に動かしてもらうと、つっぱってひっかかるような感じがしてスムーズに首がまわせていないようでした。
全体の姿勢を観察してみると、背中が丸く猫背気味で、右肩が左肩に比べて極端に上がっているのが顕著でした。
筋肉に現われる痛みやこり・しびれは内臓からの影響が大きい
この男性の普段の姿勢の悪さは、やはり首肩の症状の引き金として考えられます。
しかし当院では、身体の歪みや姿勢の悪さは、単に筋肉や骨格の問題だけでは起こらないと考えています。
この男性のお腹に触れて調べてみると、右側に位置する肝臓に硬い感触があり、上から押えるとかなり抵抗を感じました。
このように肝臓の状態と、右肩の症状とには関連があることが多いのです。
当院では身体の内側にある内臓や自律神経を整えて身体の治癒力を引き出す整体をおこなっています。
この男性の治療は、まず肝臓に対する治療と呼吸に関係する臓器を整える施術から行ないました。
そうすると、この男性の硬かった肝臓の感触が緩んできて、それと同時に肩の緊張が取れていき、この方にも呼吸がしやすくなってきたのがわかったようでした。
寒暖の差が激しい季節の変わり目は、体調が崩れやすい
突然に首がまわらなくなる寝違えやぎっくり腰などは、季節の変わり目に起こりやすい症状です。
この男性は、慢性的な姿勢の悪さと内臓のはたらきを低下させる歪みがベースにあり、そこに季節的な寒暖のストレスが加わって発症したと考えられました。
この男性のように、今まで何ともなかったのに、急に痛みや突然こりのような症状が出る時は、内臓の疲れやはたらきの低下が根底に潜んでいると考えられます。
お腹を触って内臓の状態を患者さんに伝えると、「検査で特に異常は出ていない」とおっしゃいました。
しかし、内臓のはたらきに関しては血液検査の値だけで、健康かどうかは判定できないものです。
もし、検査の数値に異常がみられるようなら、身体はもうかなり状態が悪い方に傾いていると考えた方がいいのです。
食べ過ぎは胃や小腸・大腸に負担がかかり、膨満感や胸やけ・胃のもたれ便秘・下痢など日常的に経験することも多いでしょう。
同様に、すい臓や肝臓のはたらきの低下は、ストレスや温度差、摂取した食べ物や代謝したものの解毒が追い付かなくなり身体の症状として現われてきます。
内臓のはたらきを整体で整えると首や肩の症状も楽になりました
この男性の場合、治療としてはまず肝臓のはたらきを高めて、血液の循環を良くし、消化と代謝能力を高めました。
そして自律神経を整えるために頭の骨の歪みを整えて、脊髄の中を流れる体液の流れを良くしていきました。
身体の硬さがある程度ゆるんだところで、長年疲労をため込んで硬くなった筋肉のしこりの中からこりの親玉(トリガーポイント)を見つけて鍼治療を施しました。
このような施術の結果、こり感や動きはずいぶん楽になり、痛みの程度も施術前の8割くらい楽になったとのことでした。
治療後に「今までに感じたことがないくらい呼吸がしやすくなりました。」とおっしゃっていただき、内臓や自律神経のはたらきを整えることの重要性を体感していただけたようです。