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2015/12/02
コラム
血液をサラサラにする薬を飲んでいますが鍼治療を受けてもいいのでしょうか?
血液をサラサラにする薬は血液を固まりにくくすることです
心筋梗塞や脳梗塞などの、血管のつまりに関係する病気にかかったことがある患者さんの多くは、血液をサラサラにするお薬を服用されています。
血液を薬でサラサラにするということは、血液が凝固しにくくなっているということです。
つまり、血管の中で血栓という血のかたまりができにくいように、再発予防のために飲むお薬なんですですね。
そのようなことから、血管が詰まって起こる病気にかかったことがある方が鍼治療を希望された場合に、心配されることは鍼をしたら血液が止まらなくならないかということです。
少し専門的な言葉使いになりますが、一般によく用いられている血液をサラサラにする薬とはどんなものがあるかを挙げておきます。
血液をサラサラにする薬には2タイプある
血管には動脈と静脈があって、動脈では、主に血小板というのが血栓のできる主要な要因となります。
そして、静脈では血液を固める因子となるフィブリノーゲンなどの働きで血液が固まります。
動脈と静脈で血栓ができるしくみが異なるため、血液をサラサラにするお薬にも2タイプあるのですね。
あなたが今までにかかった病気が、動脈に関するものか静脈に関するものかで、処方されるお薬が異なるわけです。
少し例をあげると
〇主な抗血小板薬(血小板の働きを抑える薬)には、
『バイアスピリン(一般名:アスピリン)』
『プラビックス(一般名:クロピドグレル)』
『パナルジン(一般名:チクロピジン)』
『プレタール(一般名:シロスタゾール)』
などがあります。
〇主な抗凝固薬(活発になっている凝固因子を抑える薬)には、
『ワーファリン(一般名:ワルファリン)』
『イグザレルト(一般名:リバーロキサバン)』
『プラザキサ(一般名:ダビガトラン)』
などがあります。
血液サラサラの薬を服用していても安心して鍼治療を受けていただけます
当院では、血液をサラサラにするお薬を服用されているかどうか、初回の問診時にかならず確認をしています。
確かにお薬の種類によっては、出血した場合に血が止まりにくいのですが、鍼治療によってもしも小さな毛細血管に鍼が当って微小な出血があったとしても、ほとんどは止血されますので心配はありません。
もちろん、鍼の施術技術の面でも、出血させないよう細心の注意をはらって行っています。
また、鍼治療で使う鍼の先は、乱暴な打ち方をしなければ組織の破壊は最小になるような構造をしています。
毛髪より少し太いくらいの太さで、注射針のように太くて切っ先がナイフのように尖ってはいないのです。
当院では、これまでにも脳梗塞の既往があり血液をサラサラにする薬患者を服用されている患者さんを何人も治療してきて、鍼治療で血が止まらなくなったことなどは一度もありません。
鍼治療を受けたいけれど、どうしても心配や不安な場合は遠慮なくご相談くださいね。