ブログ
2015/09/09
コラム
脚の痛み、どこが悪くて痛いのかという不安も解消
電気治療とけん引が効かない?
股関節の前あたり、鼡径部から太ももの外側にかけての痛みを訴えて来院された方の症例です。
60代前半の男性で、講師をされておられ2〜3年前から腰の鈍痛が気になっていたそうです。
一度、病院の整形外科で診察してもらったところ、X線検査では骨の異常はないとのことでした。
電気治療と腰のけん引治療を週に2回の通院を2週間続けたそうですが、特に効果を感じなかったので止めてしまったそうです。
それで、自分でストレッチ体操をして、筋肉を伸ばしたりしているうちに治ってしまったそうです。
今回の症状は10日くらい前から、かなり強い痛みを股関節のまわりに感じはじめましたらしいです。
やはり、整形外科へ行ってX線を撮ってもらったら、お医者さんから「骨がすり減ってきているからじゃないかなぁ。」と言われました。
治療はシップ薬をもらい、腰のけん引を指示されましたが、今回は通院はしなかったそうです。
そして以前のようにストレッチを続けてみましたが、今回はなかなか痛みが引きません。
それで、家の近くにある整体院に行って治療を受けたそうですが、ほとんど何も変わらなかったようです。
痛い所にシップを貼っているのですが。。。
たとえば、座っていて、さあ立ち上がろうとすると、激痛が走って真っ直ぐに立てない時があります。
また、歩いていて急に激痛が走って、びっこを引かないと歩けなくなったりします。
一体何が原因なのかさっぱりわからないけれど、とにかく痛い所にシップを貼りまくっている。
これ、腰痛を訴える患者さんによくあるケースですね。
シップを貼っていると、多少痛みが和らいでくる気がする。
確かにそのような心理的効果はあります。
この男性も同じようにシップを貼っていましたが、やはり痛みが消えるわけではなく、だんだんと不安になってきたそうです。
困ってネットで調べていたら、当院のトリガーポイントに関する記事を見つけたそうです。
初回の問診でお話を聞いたところ、もともとソフトボールをやっていて、最近は監督として指導もされていました。
特に練習でノックをよくするので、ご本人はそれが原因じゃないかとおっしゃっていました。
確かに、同じ反復動作を続けることは、筋肉の負担がかたよって、痛みを作る原因になります。
仰向けに寝てもらい、右脚の股関節を曲げていくとあるところで、すごく痛みを感じます。
また、股関節を内側にねじると、やはり太ももの外側に痛みを感じます。
こういう場合、明らかに動きに伴って痛みを感じるので、動作に関係する筋肉に痛みの引き金となるトリガーポイントが隠れている可能性があります。
ご本人はしきりに太ももの外側をさすりながら、ここが痛いんですよと訴えられました。
痛いと感じているところに原因がないことが多い
しかし、実際に痛いと感じている場所を押さえてもそんなに痛みはないんですね。
この方も当惑して、「どこが本当に悪いのかさっぱりわかりません。」と苦笑いされていました。
トリガーポイントを見つける方法の一つとして、どのような動作で痛みが再現されるのかを診ます。
この方は、股関節を曲げたり捻ったりする動きで痛みが強く出ました。
そのような動きではたらく筋肉はどれかと、原因となる筋を絞り込んで行きます。
いくつかのが候補が挙がり、腰の筋肉とお尻の筋肉に過敏なところが見つかったので、過敏さが緩和されるように施術をしました。
治療後は、楽に立ち上がれるということで、数日空けて治療を施しました。
筋膜性の痛みは原因となる部位の特定が大切です
3回目の治療に来られた時、まだ何かすっきりしないのと、たまに激痛を感じることがあると言われます。
そこで、もう一度診直してみると、
太ももの内側の筋肉に痛みが再現されるトリガーポイントが見つかりました。
そこを押さえると、太ももの外側に痛みを感じると言われます。
「なんで内側を押さえて外に痛みがくるんですか?」
と、不思議そうにおっしゃいました。
痛いと感じているところと痛みの原因となっているところは違うんです。
そんな説明をしながら施術を終えると、脚の曲げ伸ばしの動きがずいぶんスムースにできるようになり、びっくりしながらも納得されていました。
「鍼を打たれたときは、結構痛いところに響いていたけど、今は楽ですね。」
と、足踏みを何度もしながら確認されているのが印象的でした。
どこが痛みの原因かわからないという不安からも解消され、喜んでいただけました。