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2017/12/11
副腎疲労症候群
副腎疲労症候群と自律神経失調症はどう違うの?
こんにちは、院長の稲田です。
最近ネット上でもちょくちょく聞かれるようになった身体のさまざまな不快症状を指す病名に副腎疲労症候群というがあります。
当院にもこの副腎疲労からくる不調で来院される方が多く、「自律神経失調症とどう違うの?」という質問をよく受けます。
そこで今日は副腎疲労症候群について、自律神経失調症との違いに触れながらお話ししてみたいと思います。
副腎疲労症候群とはどんな症状?
では最初に副腎疲労症候群を見てみましょう。
腎臓の上に三角の帽子のように乗っているのが副腎です。
どんな症状が起きるのかを以下に列挙してみますね。
- 朝が起きれない
- とにかく疲れやすく、どんだけ寝ても疲れが取れない
- 何をするにもおっくうになったり、楽しめなくなった
- すぐにイライラしたり、気に障ることが多くなった
- 物事に集中できない、ボーッとする、物忘れが多くなった
- 性欲が低下した
- 朝はエンジンがかからず、夕方から夜になると割と元気
- 立ちくらみをしやすい
- 花粉症・アレルギー・喘息がひどい
- 生理痛・月経前症候群・更年期障害がひどい
- 風邪をひきやすく、治るのも時間がかかる
まだ他にもありますが、以上のような状態が3つ以上あるようなら、副腎疲労症候群の可能性があります。
副腎疲労症候群は、主にストレスや栄養失調、体内の炎症がきっかけで起こる「うつ症状」によく似た症状をもたらす疾患です。
自律神経失調症もストレスが大きな原因となりますが、関連するホルモンとしては甲状腺ホルモンと女性ホルモンとの関係が深いです。
それに対して、副腎疲労では、副腎皮質から出る「コルチゾール」という抗ストレスホルモンと呼ばれるホルモンの使いすぎが大きく関わっています。
コルチゾールはステロイドホルモンで、お薬で出されるステロイド剤と同じ働きを副腎から出すことができるしくみがあるのですね。
では自律神経失調症とは?
自律神経失調症とは、文字どおり自律神経のバランスが崩れてしまい、さまざまな不快な症状が慢性的に生じている状態を言います。
自律神経は、私たちの生命に直接関わる呼吸や心臓の動き、また胃腸の働きや体温調節、汗・おしっこの排泄から血管の収縮など、意識をしなくても身体の内部環境をちょうどいい状態にコントロールしてくれています。
そして、交感神経と副交感神経という2つの神経系統が、シーソーの両側のようにそれぞれ上がったり下がったりを交互に繰り返して、身体を活発に興奮させたり、反対にリラックスさせたりして調整しているのですね。
この自律神経がバランスを崩すと、病院の検査では異常が見つからないのにさまざまな症状が現れてしまうことが多いのです。
- 心臓 動悸・胸の痛み
- 肺 息苦しい・息がつまる
- 胃腸 胃の不快感・便秘・下痢・お腹の張りなど
- 膀胱 頻尿・残尿感など
- 生殖器 生理不順・勃起障害など
- のど のどの異物感(ヒステリー球)・飲み込みにくいなど
- 耳 耳鳴り・めまいなど
- 目 目の疲れ・目の違和感など
- 頭 頭痛・頭が重いなど
- 血管 立ちくらみ・冷え症など
- 全身 疲労感・倦怠感など
- 精神 不安感・イライラ・不眠・気力低下・集中力低下など
病名よりも身体の状態をみてバランスをとることが大切です
ストレスの影響により疾患という意味では、副腎疲労も自律神経失調症もどちらも同じように体のバランスを崩してしまった状態です。
ですから、実際の施術の場面では、ことさらに病名や症状に対して何かをするのではなく、その時に現れている患者さんのお身体の状態を検査して必要な施術を行います。
副腎の疲れを取り、自律神経のバランスを取り戻すように、お一人お一人の状態に合わせて施術をさせていただくことで、症状改善につながることが多いですよ。