コラム

2025/06/23
起立性調節障害
「あの頃の元気な自分に戻りたい」──中学生の娘さんとお母さんの声から
「娘が、いつもつらそうで…」
あるお母さんからのご相談
「中3の娘の診察をお願いしたく、予約をお願いできますか」
そんなお問い合わせのメールが届いたのは、昨年の7月のことでした。
小学校高学年のころから、
・朝なかなか起きられない
・乗り物酔いしやすい
・暑さに極端に弱い
──そんな傾向があった娘さん。
それが中学生になり、部活のストレスをきっかけに、倦怠感や不調が一気に悪化したそうです。
病院では「起立性調節障害」と診断され、
その後、適応障害や社会不安症とも言われるようになりました。

「学校は楽しい。でも…」
お母さんはこう綴られていました。
「今は学校に通えていますが、常に体がだるくて、
友達と一緒に歩くのも必死でついていく状態です。」
「受験を控えていて、娘自身も『早く元に戻らなきゃ』と焦っています。」
明るくふるまっていても、身体の中はもう限界に近い──
そんな切迫感が、ひしひしと伝わってきました。
起立性調節障害は「自律神経のアンバランス」
最近、いなだ治療院にも、
「起立性調節障害」「適応障害」と診断されたお子さんの相談が増えてきています。
起立性調節障害は、思春期の子どもさんに多い自律神経の乱れで、
朝の調子が悪く、午後〜夜にかけて元気になる傾向があります。
日本小児心身医学会によると、
中学生の約10%がこの症状を抱えているとも言われています。
そして適応障害は、強いストレスによって心や行動に支障が出る状態。
気分が落ち込み、不安や焦りで生活に支障をきたすこともあります。
子どもたちを取り巻く「見えないストレス」
SNS、学校、部活、友達関係、成績、家族…
子どもたちは、思っている以上に複雑で息の詰まる環境の中で生きています。
「頑張りたい」「うまくやりたい」
そんな想いが強い子ほど、心と体のバランスを崩してしまうこともあります。
施術は“からだとこころ、そしてエネルギー”を見る
いなだ治療院では、こうしたケースに対して、まず
からだの状態を丁寧に“感じ取りながら”診ていきます。
・姿勢や筋肉の緊張
・内臓の動きや圧迫
・脳・神経系の疲労
・思考や感情といった目に見えないストレス
そして、「エネルギーの流れ」にも着目します。
少しずつ整っていく心とからだ
このお子さんには、7月から10月までに計9回の施術を行いました。
毎回の施術中は、ぐーぐーといびきをかいて眠ってしまうほど、深くリラックスできていたようです。
治療というより、まるで安心して「力を抜ける場所」だったのかもしれません。
4か月後──
「最近は元気に学校へ通えています。 受験の準備も進められていて、以前のような不調は見られません」
というご報告をいただきました。
もちろん、一足飛びによくなるわけではありません。
でも、エネルギーのめぐりが整い、からだが安心を取り戻すことで、自然と前を向けるようになっていく──
そんな回復のかたちが、そこにはありました。
お子さんと親御さんの不安に寄り添って
起立性調節障害や適応障害と診断されても、 なかなか改善の兆しが見えず、
不安を抱えているご家族は少なくありません。
でも、「診断名」だけで語れない“本当のからだの声”も、そこにはあるのです。
いなだ治療院では、
その声を丁寧に聴きながら、 お子さんが持つ本来の力を引き出すサポートをしています。
医療の力も大切です。
でも、「自分の中にある回復力」に気づき、
それを引き出して整えていくことは、もっと大切なことかもしれません。
もし、今つらさを抱えているお子さんがいたら。
そして、それを支える親御さん自身も疲れているのなら──
どうぞ、いなだ治療院へご相談ください。